歯科だより~舌圧(ぜつあつ)、舌の力について~
口腔機能低下症は、口の中の機能が低下している疾患です。
口腔機能低下症になると、食事の際むせるようになる、
食べこぼしをするようになる、滑舌が悪くなるなどの症状があらわれてきます。
口腔機能低下症の診断の基準は7項目あり、このうち3項目において
基準値を下回れば、口腔機能低下症と診断します。
口腔機能低下症の診断基準
① 口腔不潔(歯・歯茎・舌などの汚れ)
② 口腔乾燥(口の中の水分量)
③ 咬合力低下(咬み締める力)
④ 舌口唇運動機能低下 (舌や唇の動き)
⑤ 低舌圧(舌の力)
⑥ 咀嚼機能低下(食べ物を小さくする能力)
⑦ 嚥下機能低下(飲み込む力)
今回はこの中の「低舌圧(ていぜつあつ)」について説明します。
舌圧(ぜつあつ)とは、舌が上あごに接触する力のことです。
舌圧の検査は舌圧測定器を用いて行われ、舌の運動機能や摂食嚥下機能の評価を
していきます。舌圧測定器についている2cmくらいの風船を口の中に入れ、
舌で上あごへ押し上げ潰します。
数値が出るのでトレーニングの効果としてもわかりやすく、励みにもなります。
血圧・握力のように舌圧も定期的に測定し、改善させて元に戻すだけではなく、
衰えに気がついて、上手に付き合っていく目安にもなります。
当院の歯科では、筋力低下のある方に口腔機能に問題がないか、
舌圧を測定しています。
美味しく・楽しく食べることができるよう全力でサポートしてまいります。
歯科
▲舌圧測定器
▲測定している様子