リハビリテーションの定義と概要
リハビリテーションとは、障害を受けた者を彼のなしうる最大の身体的・精神的・社会的・経済的・職業的な能力を有するまでに回復させることです。
リハビリテーション科の主たる業務は、疾患や外傷によって障害を受けた患者様に対し、機能回復の援助はもちろん生活能力の向上を計り、生活の自立を援助し、寝たきり「ゼロ」を目標に自宅・職場復帰のお手伝いを行うことです。『心身ともに自立した日常生活可能な能力を有するまでに回復させること』を目標に掲げ、当院の理念に沿って主治医と患者様を中心とした医療チーム編成の下で専門スタッフが連携し、患者様の自立を支援することを役割としています。
リハビリテーションスタッフ
スタッフ数 327名 | |
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理学療法士 | 191名 |
作業療法士 | 97名 |
言語聴覚士 | 30名 |
トレーナー | 6名 |
リハ助手 | 3名 |
※2023年6月現在
リハビリテーション科責任者:栗原 芳久 副院長 (理学療法士)
リハビリテーション科所属長:川野 将広 課 長 (作業療法士)
病棟 | 責任者 |
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3F | 齋木 稔行 (理学療法士) |
4F | 鈴木 竜治 (作業療法士) |
5F | 中庭 大介 (理学療法士) |
6F | 稲垣 早織 (理学療法士) |
7F | 深川 祥平 (理学療法士) |
8・9F | 園田 和也 (作業療法士) |
10・11F | 坂本 健人 (理学療法士) |
リハビリテーション科
当院では患者さま一人に対して、一日最大9単位(3時間)のリハビリテーションを提供しています。
リハビリテーションの内容については、入院時から医師の指示のもと多職種で評価を行い、それぞれの担当者がメニューを決めて実施していきます。患者さま一人一人の目標やゴールを設定し、回復過程に合わせながら様々な手段を用いて治療効果を検証しながら行っていきます。また患者さま本人や家族の意向などを聴取しながら、定期的なカンファレンスを行い、退院後の生活を見据えた個別的な関りを行っていきます。
例えば脳梗塞で片側の半身麻痺を呈した患者さまには、起きる、座る、立つ、歩くといった基本的な動作の練習から食べる、着替える、トイレに行く、歯を磨くなど日常生活の動作の練習を行います。またその人らしい生活を送るための趣味、役割、仕事等の活動に対しても訓練として実施していきます。常に安全で安心なリハビリテーション医療を提供できるようにスタッフ一同努めています。
■理学療法士
理学療法士はPT(Physical Therapist)とも呼ばれ、機能の向上や基本動作(起き上がりや立ち上がりの動作)能力、歩行能力の向上を目指してリハビリテーションを行っていきます。
当院のような回復期のリハビリテーション病院では、脳血管障害で手足が動かしにくくなってしまった患者さまや、骨折をされて自宅での生活が困難な患者さまが多く入院されています。
理学療法士の役割は、患者さまが自宅復帰を目指すために、機能低下をしてしまった筋力や関節可動域に対し、超音波などの温熱機器を用いることや、ロボットスーツHAL®*という機械を使用して歩行介助を行います。機能の向上や基本動作(起き上がりや立ち上がりの動作)能力、歩行能力の向上を目指していきます。
当院ではリハビリを行う上で必要な機器や物品が揃っており、患者様1人1人に合わせたリハビリを提供することができます。また、365日毎日リハビリを行うことで更なる機能回復が望めると考えております。
*ロボットスーツHAL®…下肢が動かしづらくなってしまった方に対して、起立訓練や歩行訓練を行う機械です。
ロボットスーツHAL®
■作業療法士
作業療法士は、OT(Occupational Therapist)とも呼ばれています。食事・整容・更衣・排泄などの日常生活の動作や家事、芸術活動、余暇活動といった生活における作業や動作を用いて、身体や精神に障害がある人が、心身機能を回復し日常生活・社会生活に復帰できるよう、リハビリテーションを行います。
当院のような回復期のリハビリテーション病院での作業療法士の役割は、作業活動を通じて身体の諸機能の回復・維持を目標に、道具を使った手指の訓練・着替えや入浴、料理など日常生活の訓練の他、PC操作や車の運転など職場復帰に必要な訓練、趣味活動と合わせたリハビリテーションをしています。また、必要に応じて退院先の家屋の環境調整や自助具の作成、福祉用具の提案も行っています。
■言語聴覚士
言語聴覚士は、ST(Speech Therapist)とも呼ばれています。ことばの障害や飲み込みの障害などがある患者さまに対して、コミュニケーションの取り方や発音の仕方、食事を安全に食べる方法など、患者さまの病状や目標に合わせた訓練を行います。
回復期における言語聴覚士の役割は、自宅退院や社会復帰を目指す患者さまに対して、退院後の生活を見据え、その方に合った訓練や自主トレーニングの指導、代償手段の獲得を目指しリハビリテーションを行います。また患者さまだけでなく、ご家族さまへコミュニケーションの取り方や食事形態の指導・助言も行います。
当院ではことばの障害がある患者さまに対してコミュニケーション訓練や、飲み込みの障害のある患者さまに対して食形態の評価や飲み込む力をつけるための訓練を行います。また、飲み込みの訓練時に使用する機械を導入しており、日々の訓練と併用し飲み込みに必要な喉の感覚や筋力の向上を図っています。
トレーナー
リハビリテーションに加えて、個別に筋力トレーニング指導やマシーンなどのトレーニング器具を利用しながら、より身体機能の改善を行ないます。またマッサージやストレッチ指導を行ないリハビリで疲労した筋肉などのケアの指導も行います。
理学療法士
理学療法では、起き上がる、立ち上がる、歩くなどの基本的な動作の回復を目的としたリハビリを行っています。また、電気などを用いた治療やマシーンを使った筋力トレーニングで社会復帰に必要な体力面の強化を行います。
作業療法士
作業療法では着替えやお風呂などご自宅を想定した日常生活の訓練を中心に行っています。また、家事動作や職場復帰のために必要な訓練及び園芸や書道などの趣味的な活動も行っています。
言語聴覚士
コミュニケーション障害をもった患者様に、機器等を使って、あるいはジェスチャーや描画などによって言葉や意思を引き出す訓練を行っています。また嚥下障害のある方には食事を安全に、よりおいしく楽しく食べられるように食べ方の訓練を行っています。
トレーナー
リハビリテーションに加えて、個別に筋力トレーニング指導やマシーンなどのトレーニング器具を利用しながら、より身体機能の改善を行ないます。またマッサージやストレッチ指導を行ないリハビリで疲労した筋肉などのケアの指導も行います。
原宿リハビリテーション病院 リハビリテーション科の特徴
【規模と設備】
病床数332床とリハビリスタッフ数267名を有する日本最大級の規模を誇り、750㎡を超える明るく広いリハビリ室でリハビリテーションを行っています。たロボットスーツや最新機器を導入し様々なプログラムのリハビリを展開しています。
- 【HAL】
- 【ドライビングシミュレーター】
- 【G-TES】
- 【アイビス】
- 【球技ネット】
- 【シミュレーションルーム(和室)】
- 【シミュレーションルーム(洋室)】
- 【原宿森の散歩道】
- 【屋上庭園】
※【Fieldo】はパラマウントベッド株式会社の商標登録です
【心臓リハビリテーション】
複数の循環器Drと心リハチームを中心に心疾患のある患者様に対し積極的に心臓リハビリテーション指導を行っています。
【摂食嚥下センター】
STが担当医師と嚥下の評価を行い、患者様に適した食事形態を提供していきます。
歯科医師が常駐しており、適切な時期にスムーズな評価を協業で行います。
【レクリエーション活動】
ボランティア(プロ)による楽器演奏やコーラス、ジャンルを問わないコンサートを定期的に開催し、入院中の患者様の心を癒しています。また、他患との交流や認知・高次脳機能賦活等の様々な目的で定期的に作業活動・園芸活動、調理活動を行っています。
- バイオリンコンサート
- お茶会
- 園芸活動
- 花火大会
【屋外活動訓練、公共交通機関利用】
屋外歩行や公共交通機関(バスや電車の乗車)を利用し地域で生活していくために必要なリハビリを実施していきます。
【地域への交流】
町内の行事(ソフトボール大会、交通安全、町内運動会等)や福祉イベント、スポーツ大会に積極的に参加し、地域との交流を深めリハビリの理解を深めて頂けるように活動を行っています。
私たちは、充実した設備と待遇、あたたかい雰囲気のなかで働きます。
- ◆新しいリハビリテーション機器
- 患者様により良い環境を提供するため、ロボットスーツHALやデジタルミラー、ドライビングシュミレーターなど、様々な新しい機器を取り入れています。もちろんスタッフがそれら使用法をマスターするため、業者の方や先輩が行う研修会なども適時開催しています。
- ◆系列病院への研修&各種勉強会
- 就職後、関東にある巨樹の会グループ系列病院への研修制度があります。この研修では、様々な病院で現場の知識を深め、色々な先輩と人脈ができるなどのメリットがあります。また、1年目のスタッフを対象にした勉強会では、医療人として必要な色々な事柄を学んでいきます。
- ◆経験豊富な先輩
- 原宿リハビリテーション病院は設立に当たり、巨樹の会グループ系列病院から様々な経験を持ったスタッフが集まりました。急性期、心臓疾患リハ、訪問リハ、在宅リハなど、回復期病院だけではない経験や知識を持った先輩が活躍しています。経験豊富な先輩から患者様への色々なアプローチ方法が学べます。
- ◆プリセプター制度
- 1年目のスタッフの一番身近な相談役・教育係になるよう、一人ひとりに同職種の先輩がつきプリセプターとして指導に当たります。日々の悩みや疑問は、仲良くなった頼れるプリセプターと一緒に解決。「先輩に聞くのが怖い…勇気がいる…」といった心配はいりません。
リハビリテーション科の実績
【平成30年度 疾患別入院患者数】
【平成30年度 リハビリ実施入院延べ患者数】
【平成30年度 外部講師勉強会】
一例
【研修会参加・学術集会での発表】
全国で行われる様々な研修会に参加したり、学術集会や各職種、領域での学会に積極的に発表を行っています。